パン用の国産小麦粉(強力粉)の価格が安くなった理由を徹底調査した

現在、実家では国産のパン用小麦粉を使っています。
それまでは外国産のパン用小麦粉を使っていました。

最初は、ポストハーベスト農薬(収穫後に使われる農薬)を敬遠して、安くなってきた国産のパン用小麦粉を買っていいました。

でも、そうこうしているうちに、国産のパン用小麦粉の中には外国産のものと同じくらい安いものが出てきたので、本格的に国産のパン用小麦粉を買うようになりました。

国産のパン用小麦粉安いなと感じ始めたのは、2015年頃(平成27年)です。
そこで、本当にその頃から安くなってきたのか調べてみることにしました。


国産小麦の収穫量の増加と国産小麦の価格低下

どうやら、2012年頃(平成23年)から国産小麦の収穫量が増えたようです。
それに伴い、希少価値のあった国産小麦の価格が値下がりしました。


平成28年産4麦の収穫量:農林水産省

年度 作付面積 10aあたり 収穫量
19 209,700a 434s 910,100t
20 208,800a 422s 881,200t
21 208,300a 324s 674,200t
22 206,900a 276s 571,300t
23 211,500a
作付面積が上昇
353s 746,300t
24 209,200a 410s 857,800t
25 210,200a 386s 811,700t
26 212,600a 401s 852,400t
27 213,100a 471s 1,004,000t
28 214,400a
(概数)
363s 777,900t
天候不順

平成23年(2011年)頃から作付面積が上昇し続けています。
平成28年(2016年)に収穫量が大きくダウンしたのは、天候不順のせいです。

このうち、小麦は77万7,900tで、前年産に比べ22万6,100t(23%)減少した。

これは、北海道において出穂期以降の天候不順により登熟が抑制されたこと等から、全国の10a当たり収量が363kgとなり前年産に比べ23%下回ったためである。

そのため、店頭ではまだまだ見られないものの、通販ではかなり国産小麦が見られるようになりました。


国内産小麦の産地別銘柄別取引価格の動向より


国産パン用小麦粉が日本で作られるようになった理由

お米は消費の量に比べ、国内での生産量が多いです。

その反面、小麦の方は、日本人が麺やパンを食べるようになってきたため、消費量に比べて国内での生産量が少ないです。

日本では、主食であるお米はジャブジャブに余っているのに、なぜか同じ主食の小麦は輸入していると言う、摩訶不思議な状態になっていました。



米の生産 > 米の消費
→ 余ったお米は備蓄や家畜の餌

小麦の生産 < 小麦の消費
→ 足りない小麦は輸入


そこで、政府は需要の少ない米の生産への優遇措置を減らし、小麦生産を優遇するようになりました。

すると、小麦を作る農家が増えてきました。

日本で小麦を作る農家が増えてきたため小麦の作付面積は年々アップし、国産小麦の価格も徐々に低下してきました。


国産のパン用小麦粉が出遅れている理由

日本のパン用の小麦粉の生産は伸びにくいです。

それは、日本で作ることができる小麦粉は、タンパク質(グルテン)の量が少ないものが多いからです。

グルテンが多く含まれているほど、生地がビヨーンとよく伸びます。

このグルテンの伸びる働きによって、パン生地気泡が閉じ込められ、フワフワ、フカフカのパンができます。

グルテン量 用途
薄力粉 少ない お菓子
天ぷら
お好み焼き
中力粉 多くはない うどん
中華麺
強力粉 多い パン

パン用小麦粉(強力粉)よりグルテン量が少ない中力粉(麺用小麦)なら、日本の気候風土でも作りやすいのですが、グルテン量が多い強力粉は日本では作ることが難しいため、なかなか作られませんでした。

そのため、パン用の国産小麦粉はほとんど売られてきませんでした。

ところが、地道な品種改良農家の方々の努力、それに政府の振興策の影響もあり、徐々にパン用の国産小麦も作られるようになってきました。

まだまだ、国産のパン用小麦粉のグルテン量は外国産のものと比べると少ないものが多いですが、中には、外国産のパン用小麦粉と遜色ない国産小麦も出てきました。


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