紅茶の茶葉の等級についてイラスト付きで詳しく解説する
紅茶の茶葉には『 格付け 』があります。
この茶葉の格付は、紅茶の値段を決める際の基準になっています。
また、現物の紅茶の茶葉を見なくても、どのような紅茶の茶葉なのかを買う側が知ることができる目安にもなります。
ですので、紅茶が大好きで、今後も色々な紅茶を飲んでいきたい方は、紅茶の茶葉の等級は、知っておいて損はないと思います。
紅茶の茶葉の等級の基本
紅茶の茶葉の等級は、簡単に言うとこのような形になります。
- 新芽に近くなるほど高くなる
- 丸ごとの葉っぱに近いほど高くなる
この二つが茶葉の等級を左右します。
茶葉の位置と等級
日本でも、お茶の木の新芽が芽吹く春、新茶の季節は特別なものです。
新芽を使ったお茶は特別に美味しいお茶ができるため、昔から普通のお茶よりも高値で売られてきました。
京都のお茶の生産地の宇治では、毎年新茶の季節には新芽を摘む茶摘みイベントが行われます。
新芽が特別なのは、紅茶でも同じです。
新芽に近いほど茶葉の等級が高くなります。
一番高いのは黄金色に輝く新芽です。
次に高いのは花の香のする新芽です。
そこからは新芽から遠ざかるほど等級が落ちていきます。
スーチョン
新芽から5番目の古い葉。
お手頃価格の紅茶の茶葉として使用。
多分、私は飲んだ可能性大。
ペコー・スーチョン
新芽から4番目の古めの葉。
お手頃価格の紅茶の茶葉として使用。
多分、私は飲んだ可能性大。
ペコー
新芽から3番目の普通の葉。
英語の Pekoe (または pecco )の略。
紅茶の茶葉として使用。
多分、私は飲んだ可能性大。
オレンジ・ペコー
新芽から2番目の新しい葉。
まだ葉っぱが新しく、黄色っぽい。
高級紅茶の茶葉として使用。
私はここまでしか飲んだことがない。
フラワリー・オレンジ・ペコー
花のような香りのする新芽。
まだ葉っぱが新しく、黄色っぽい。
超・高級紅茶の茶葉として使用。
私が未達の域。
できれば飲みたい。
ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー
黄金色で花のような香りのする新芽が含まれている茶葉。
超・高級紅茶の茶葉として使用。
私が死ぬまでに飲めるかは不明。
ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー
黄金色で花のような香りのする新芽がたくさん含まれている茶葉。
超・高級紅茶の茶葉として使用。
私が死ぬまでに飲めるかは不明。
ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー
ほとんどが黄金色で花のような香りのする新芽の茶葉。
超・高級紅茶の茶葉として使用。
たぶん私は死ぬまで飲めない。
紅茶の茶葉の細かさと茶葉の等級
紅茶の茶葉は、丸ごとの茶葉の方が等級が高いです。
そこから、『 カットした茶葉 』→ 『 ふるいにかけた茶葉 』と等級が低くなっていきます。
最も等級が低いのは、安い市販のティーバッグに使われるダストの茶葉です。
フルリーフ
全くカットされていない丸ごとの茶葉です。
ブロークン
ある程度の大きさにカットされた茶葉です。
スリランカスタイルのセイロンは、細か目にカットされることが多いです。
一般的には、細かくカットされるほど、紅茶の味・色・香りが強くなります。
ブロークン = broken = 壊された
ファニングス & ダスト
ファニングスは非常に細かい茶葉のことです。
ブロークンの茶葉をふるいにかけた時に発生する茶葉です。
ファニングス= fannings= とても小さな茶葉の断片 (fragment)
fanning で『 fanの現在分詞 』になりますが、紅茶のファニングの場合は『 fanning 』と言う『 名詞 』になります。
なので、とても小さな茶葉の断片が集まって、複数形の fannings(ファニングス)と言うことになります。
(実はこれを調べるのが非常に大変でした。(;´_`;))
ダストは、文字通り『 粉状の茶葉 』です。
クラッシュ ティアー カール
クラッシュ ( Clash )=潰す
ティア ( Tear )=裂く
カール ( Curl )=丸める
CTCと言われています。
細い棒状の茶葉ではなく、丸く整形されている茶葉です。
アルファベットでグレードの表記を行う
最終的に、茶葉の状態と加工具合を統合して、アルファベットでグレードの表記を行います。
フルリーフはカット加工などはしていないので、どんな茶葉かだけ表示されます。
オレンジ・ペコーの茶葉なら、OP(オレンジ・ペコー)とだけ書きます。
カットされたりふるいにかけられた茶葉は、どんな茶葉かにプラスして、行われた加工について書きます。
オレンジ・ペコーの例
OP(オレンジ・ペコー)
フルリーフのオレンジ・ペコー
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)
オレンジ・ペコーのフルリーフをカットしたもの
BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス)
BOPをふるいにかけた時に出てきた細かい茶葉
OPD(オレンジ・ペコー・ダスト)
OPやBOPから出た粉末状の茶葉
参考
orange pekoe
出典:『Wiktionary』 (2017/02/11 15:25 UTC 版)
名詞 orange pekoe (countable かつ uncountable, 複数形 orange pekoes)
An expensive grade of black tea from India and Sri Lanka
Orange pekoe, also spelled pecco, or OP is a term used in the Western tea trade to describe a particular genre of black teas (orange pekoe grading).[3][4]
【訳】
『 Orange pekoe 』(peccoのスペルも)、または『 OP 』は、特定のジャンルの紅茶(オレンジ・ペコのグレード)を記述するために西洋の紅茶取引で使用される用語です。
名詞 fanning (複数形 fannings)
A very small fragment of tea leaf.
【訳】
非常に小さな茶葉の断片。
Generally orthodox teas have four grades,
namely whole leaf, broken leaf, fannings and dust.
【訳】
一般的に、オーソドックスな紅茶には4つの等級があります。
すなわち、完全な葉、壊れた葉、小さな茶葉の断片、そして塵です。
英語で『 紅茶 』は何て言う?
英語で紅茶について調べていたら、black tea ブラックティーと書かれていました。
black tea と書かれていますので、真っ黒な紅茶でもあるのかと思ったら、どうやら black tea とは紅茶そのものを指す言葉のようでした。
紅茶 《★茶の葉を発酵させてから火入れをするので色が黒い; cf. green tea》.
日本茶の事をグリーンティーといいますが、これは茶葉を発酵させる前に蒸してしまい、茶葉が緑色のままなので、そう言われています。
でも、紅茶の場合は、緑色の茶葉をまず発酵させてしまいます。
そして、発酵後に茶葉を蒸し上げるので、茶葉の色がこげ茶色になります。
これが black tea(黒いお茶)の言葉の由来になっているようです。
英語で『 紅茶 』が black tea なら、何も入れない紅茶は何て言う?
何も入れていないコーヒーや、ミルクなしのコーヒーをブラックコーヒーなんて言いますが、紅茶の場合は、英語で何というのでしょう?
どうやら、何も入れていない紅茶の場合、ブラックティーでも伝わらなくはないようです。
ただし、ブラックティーと言ってしまうと『 紅茶そのもの 』を表す単語だったり、『 お砂糖は入れないの? 』と言う疑問が出てきてしまう可能性があるため、できれば black tea without milk and suger などと、ちゃんと『 お砂糖とミルクは無しの紅茶 』と言っておいた方がトラブルがなく過ごるようです。(;´_`;)
あと、『 tea 』だけだと、一体何のお茶のことを指しているのか、ブラックティーなのか、グリーンティーなのか、ハーブティーなのか判別がつきにくい場合もあるようなので、tea だけだと判別がつきにくそうな場合は、ちゃんと black tea と言った方が良いようです。
参考
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