小麦タンパクから作られたグルテン粉の使い方と購入の仕方について
小麦粉には、3つの種類があります。
お菓子・料理用、麺用、パン用。
用途に応じて適切な種類の小麦粉を選ばないと、料理を失敗してしまいます。
強力粉と中力粉と薄力粉について
小麦粉には、強力粉と中力粉と薄力粉があります。
それぞれ、『 グルテン 』と言う小麦タンパクの含まれている量によって、粉の種類が分かれています。
グルテンの量が一番多いのが『 強力粉 』。
生地がよく伸び、強い弾力があります。
グルテンの量が中くらいなのが『 中力粉 』。
生地はそこそこ伸び、弾力があります。
グルテンの量が少ないのが『 薄力粉 』です。
生地はほとんど伸びず、サクサクで弾力がない生地になります。
どの種類の粉になるのかは、『 小麦の苗の品種 』によって変わります。
小麦の苗が薄力粉の苗であれば薄力粉、強力粉の苗であれば強力粉になります。
(製粉の具合によって変わるわけではありません)
粉 | グルテン量 | 用途 |
---|---|---|
薄力粉 | 少ない | お菓子 天ぷら お好み焼き |
中力粉 | 多くはない | うどん 中華麺 |
強力粉 | 多い | パン |
小麦粉に含まれているグルテンの量と適した料理
先程も書きましたが、グルテンの含まれている量が多ければ、生地がよく伸び、弾力の強い生地になります。
小麦粉に含まれているグルテンが小麦粉のデンプンを巻き込み、ビヨーンと伸びるからです。
その反面、小麦グルテンが少ないと、弾力と伸びが弱い生地になります。
ですので、強力粉は、サクサク感が必要なお菓子や料理などには向いていません。
例えば、ビスケット。
ビスケットはサクサクしていないといけないのに、強力粉に含まれているグルテンのせいで、サクサク感がなくなり、『 謎の弾力 』が出てしまいます。
その反面、パンに薄力粉を使うと『 パン生地が上手く膨らみません 』。
生地が伸びないので、イースト菌が発酵した際に出す空気が生地の中に溜まりにく、膨らみのないカチカチのパンになってしまいます。
グルテン粉とは
グルテン粉(グルテンパウダー)とは、小麦粉の中に含まれている小麦粉のグルテンを取り出して、粉にしたものです。
小麦からグルテンだけを取り出して、料理やパン作りに使います。
日本国内で売られている小麦グルテンの身近な食品としては、『 麸 』があります。
麸は『 小麦からグルテンだけを取り出して固めたもの 』です。
生麩
小麦からグルテンを取り出して、麸をつくる。
焼いて乾燥させずに食べる。
長期間の保存はできない。
焼き麩
小麦からグルテンを取り出して、麸をつくる
香ばしく焼いた後で食べる
長期間の保存が可能
麩菓子
小麦からグルテンを取り出し、麸をつくる
麸と白玉粉を混ぜ、お湯で茹でてお団子を作る
取り出したグルテンをそのまま粉にしたものが、グルテン粉(グルテンパウダー)です。
近年では、グルテン粉(グルテンパウダー)が安くなったので、米粉にグルテンを加え、米粉パンなのにフワフワでフカフカで柔らかいパンが作れるようになりました。
(米粉100%でもフワフワな食パンができます)
グルテン粉がこぼれたら?
グルテン粉(グルテンパウダー)が水に濡れると、ネトネトのグルテンになります。
グルテンは生地が伸びる元凶のものですので、机にこぼれたグルテン粉を濡れ布巾で拭くと、濡れ布巾についたグルテンが取れなくなります。
布巾の生地にガッチリと張り付き、洗っても落ちないのです。
これは別に大げさに言っているのではなく、濡れ布巾にくっついたグルテンは本当にとれません。
ですので、グルテン粉が机の上などにこぼれたら、拭き取るのは濡らしたキッチンペーパーの方が良いと思います。
国産小麦粉にグルテン粉を追加する
日本で販売されている外国産のパン用の小麦粉(強力粉)は、含まれているグルテンの量が多いものが大半です。
しかし、国産小麦粉(強力粉)はグルテン量が少なめのものがあります。
(国産の小麦粉であっても、春蒔き小麦の場合はグルテン量が比較的多いです)
グルテン粉が少なめの小麦粉(強力粉)でパンを作ると、膨らみが弱い、モチモチパンになります。
膨らみが弱く、モチモチな食感のパンの方が良い場合はそれで良いのですが、そうでない場合は、パンの材料としてグルテン粉を追加すると、膨らみの弱い国産小麦でもよく膨らみ、フワフワのパンになります。
加えるグルテン粉の量について
パンの材料として加えるグルテンの量は、事前にしっかり計算すると間違いにくいです。
うちでは、グルテン量が15%〜16%の国産小麦の場合、大さじ1杯のグルテン粉を追加しています。
でも、小麦粉の品種によって、含まれているグルテンの量は異なりますので、大さじ1を目安にして、膨らみすぎればグルテン粉の量を減らし、膨らみが足りなければグルテン粉の量を増やすことにしています。
ただし、春よ恋などの北海道産の春蒔き小麦の場合、外国産の強力粉と遜色ないほどグルテン粉が含まれているため、グルテン粉は使いません。
(膨らみが弱い時は、水の量を少しだけ減らします)
グルテン粉が多すぎ
- パンが膨らみすぎる
- ひどい場合には、ホームベーカリーの蓋に生地が張り付いてしまう
- ホームベーカリーの蓋に生地が張り付くと掃除が大変になる
- 生地に空洞が出来すぎて綿菓子のようなフワフワのパンになる
- 食パンをカットするために包丁を入れると生地が潰れる
グルテン粉が足りなさすぎ
- パンの膨らみが悪い
- 生地に空洞が足りなくて固いパンになる
- 生地にモチモチ感が出る
グルテン粉の選び方
グルテン粉は原材料がグルテン粉100%であれば、どれでもほぼ同じです。
グルテン粉が発売されている実店舗はほとんどありません。
(一部専門店やデパートなどでは販売されていることもあるかも?)
ですので、グルテン粉を購入する場合は、通販での購入が良いと思います。
通販では何種類ものグルテン粉が発売されていますので、グラムあたりの価格で比較して、より安いグルテン粉を購入することができます。
GOPAN用のグルテンは膨らみが悪いので注意する
以前、GOPAN用のグルテン粉を購入しました。
そして、普通に国産小麦粉に追加するグルテン粉として使用しました。
でも、実際に使ってみると非常に膨らみが悪かったです。
どうやら、GOPAN用のグルテン粉はあくまでもGOPAN用であり、普通のホームベーカリーの普通の国産小麦粉(強力粉)に追加する用のものではないようです。
(GOPANとは、生米からパンを作るためのパナソニックのホームベーカリーです)
GOPAN用のグルテン粉は、Amazonランキングでは、ほぼ常に上位にランクインしている人気商品ですが、普通のグルテン粉とはちょっと違いますので、購入する際は気をつけたほうが良いと思います。
グルテンと麸はほぼ同じもの
上の方でも書きましたが、麸の材料は小麦粉から抽出したグルテンです。
なので、グルテン粉から生麩が作れるはず。
そう考えた私は、グルテン粉から生麩団子を作ってみました。
本来であれば、生麩団子は団子粉や白玉粉などと混ぜて作るのですが、当時の私や母は血糖値が高めだったため、生麩100%の生麩団子を作りたくなってしまったのでした。
もし、これが上手く行けば、血糖値の上がらないお菓子ができるなと。
そこで、早速、グルテン粉に少量の水を加え、耳たぶくらいの柔らかさになったら丸く整形し、熱湯で茹でて、生麩団子を作ってみたのでした。
でもその結果、激マズの生麩団子が出来てしまいました。
何が激マズだったかと言うと、『 食感 』です。
一言で例えるなら、『 消しゴムを食べているような感じ 』です。
丁度、消しゴムを口の中に入れてモグモグやるような、そんな不快度マックスな食感になってしまったのでした。
そこで、きな粉とパルスイートの粉末を混ぜたものをまぶしてみました。
でも、結果は『 きな粉をまぶした消しゴム 』になってしまいました。orz
教訓
グルテン粉100%の生麩団子はマズイ
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