牛の生乳を加工して作られる食べ物と飲み物と取引価格について
生乳とは、搾りたての家畜(主に牛)の乳のことです。
生乳はそのままでも美味しく飲むことができるのですが、普通は、食品として色々と加工されてから販売されます。
生乳から加工して作られる食べ物や飲み物には以下のようなものがあります。
牛乳系
- 牛乳
- ヨーグルト
クリーム系
- 生クリーム
- バター
- クリームチーズ
- 脱脂粉乳
(スキムミルク)
チーズ系
- フレッシュチーズ
- ナチュラルチーズ
- プロセスチーズ
- ホエィ
(乳清)
牛乳系
牛乳
牛乳とは、生乳を乳脂肪と乳清に分離しないように加工したものです。
加工していない生乳は、時間が経つと乳脂肪とそれ以外に分離してしまいますので、牛乳として販売される前には必ず、分離しないように加工します。
このため、ひとたび生乳を牛乳に加工してしまうと、牛乳やヨーグルト以外のものに再加工することが難しくなってしまいます。
ヨーグルト
牛乳に乳酸菌を加えて発酵させた乳製品です。
栄養価が高く整腸作用があるため、古来から洋の東西を問わず食べられてきました。
クリーム系
生乳を分離して脂肪分が多い部分だけを取り出したものです。
普通の生乳よりドロっとしています。
日本の乳等省令では『 生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分が18.0%以上にしたもの 』との決められています。
生クリーム
クリームから作られます。
ホイップすると、ケーキなどに使われるいわゆる『 生クリーム 』になります。
バター
クリームを撹拌して、乳脂肪だけを抽出したものです。
バターを作った残りは、脱脂粉乳やスキムミルクなどとして、製菓・製パン・料理などに利用されます。
クリームチーズ
クリームから作られた熟成されていないチーズです。
文字通り、チーズ風味のクリームの塊と言った感じです。
脱脂粉乳(スキムミルク)
生乳から乳脂肪だけ取り除いたものです。
取り除いた乳脂肪はクリームになります。
抜かれたのは乳脂肪だけなので、乳清よりも栄養が豊富です。
昔は、アメリカで余った脱脂粉乳の処理を兼ねて、脱脂粉乳を水に溶いたものが日本の小学校で給食として支給されていました。
(牛乳とは違い、非常に不味いものだったようです)
チーズ系
生乳を、フレッシュチーズと乳清(ホエィ)に分離したものです。
発酵・熟成させるチーズと、発酵させないチーズがあります。
フレッシュチーズ
熟成させないチーズです。
水分は多めです。
ナチュラルチーズ
発酵熟成させたチーズです。
柔らかいものが多いです。
プロセスチーズ
複数のナチュラルチーズを溶かして混ぜ、乳化剤を入れて加工したものです。
原材料のナチュラルチーズを輸入で安くで買い、それに国産チーズと乳化剤を少量混ぜ、それをプロセスチーズとして再加工して販売しているものが多いです。
ホエィ(乳清)
乳清とは、生乳からチーズを作った後にできる、水状のシャバシャバしたのものです。
生乳から乳脂肪とガゼイン(タンパク質の一種)を取り除いた『 残りカス 』が乳清になります。
乳清は、別名『 ホエィ 』と言います。
高蛋白で栄養価が高く、しかも低脂肪なため、ホエイプロテインと言う健康食品やサプリメントとして利用されています。
イタリアではホエィからチーズが作られています。
リコッタチーズと呼ばれるものです。
乳清から作られたチーズで、栄養価が高いチーズです。
(生クリームと牛乳をプラスしてチーズを作ります)
生乳1Lあたりの値段について
普通、生乳はそのままでは販売しません。
何らかの形で加工してから販売します。
(体験型の牧場では、生乳の飲めるところもあります)
ですので、何に加工するかによって生乳の売値が変わってきます。
例えば、こんな感じです。
生乳 → 牛乳 = 1Lあたり 200円
生乳 → チーズ = 1Lあたり 150円
生乳 → 生クリーム = 1Lあたり 120円
生乳 → バター = 1Lあたり 90円
このように、同じ生乳であっても売値が変わってくるものですから、できるだけ高い値段で売りたいと思うのが人情だったりします。
今のところ、一番高値で売れるのが牛乳。
次に、生クリームです。
その次がチーズ類で、最後にバターになります。
バターは売値が一番低いので、生乳がバターに回されるのは一番最後になってしまい、生乳が足りなくなると、バターの生産がガクンと落ち込む原因になっています。
1. 牛乳(成分無調整・加工乳でない牛乳)
1Lあたりの値段は一番高価です。
加工も簡単なので、乳牛の酪農家の一番の収益になります。
2. 生クリーム
1Lあたりの値段は牛乳に次いで高いです。
元々、日本での消費量自体はそれほど多くなかったですが、料理やお菓子などで徐々に使われるようになってきたため、徐々に消費量が伸びてきています。
3. チーズ
1Lあたりの値段は生クリームに次いで高いです。
ただし、国産のチーズは高いので、安価な輸入のナチュラルチーズと乳化剤を混ぜて、プロセスチーズとして販売されることが多いです。
4. バター
1Lあたりの値段は安いです。
乳牛の酪農家の方々が出荷したくない理由は、この安さにあります。
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