【意外と】 注入系のシワ取りについて 【厄介】
ヒアルロン酸注入は意外と厄介
手術の失敗などによる皮膚の凹みやシワの改善、それに鼻筋を整えたり鼻を高くするのにも使用されるものに、『ヒアルロン酸』があります。
ヒアルロン酸は元々人の体にあるものですので、基本的には『無害』です。
そして、元々人の体にあるものですので、『とても吸収されやすい』ですので、鼻を高くしたり、シワや凹み改善でヒアルロン酸を皮下に注入しますと、すぐに体内に吸収されてしまいます。
ところが、これを何度も続けていますと、そのうちヒアルロン酸の吸収が悪くなってしまいます。
そうなってくると、射ち直しの頻度や量は少なくなるのですが、今度は、肉腫化や壊疽などのリスクが高くなってしまいますので、ヒアルロン酸は同じ場所に長期間何度も何度も射たない方が無難です。
ヒアルロン酸を手術で出来たシワや凹みの修正に使う場合は、特に上記の点には注意が必要かと思います。
(美容整形の手術でシワや凹みが出来ても、ヒアルロン酸を射って凹みを膨らませれば良いと思わないほうが無難かもです)
この他、顔の動脈にヒアルロン酸を打ってしまい、鼻が壊疽を起こしたケースもあります。
(これは、通常は起こりにくい事故です)
また、ヒアルロン酸を皮膚の薄い場所に大量に打つことによって、打った場所の皮膚が青っぽくなることもありますし(鼻などで起こりやすいです)、ヒアルロン酸の打ち方がまずく、お肌が凸凹した仕上がりになってしまうこともあります。
吸収されにくいヒアルロン酸
近年では、非常に吸収されにくいヒアルロン酸が使われるようになりました。
吸収されにくいヒアルロン酸は、吸収されやすいヒアルロン酸よりも長く身体の中に残り続けることで、吸収されやすいヒアルロン酸よりも問題が起こる可能性が高くなります。
【壊疽】
吸収されにくいヒアルロン酸を打つことにより血流が阻害され、壊疽してしまうことがある。
【凸凹】
吸収されにくいヒアルロン酸の成分の一部が皮下に残り、凸凹してしまうことがある。
【感染症】
残ったヒアルロン酸の残骸が、感染症の原因になることがある。
残ったヒアルロン酸の除去方法
鼻や頬などに残ったヒアルロン酸は、ヒアルロン酸分解注射(ヒアロニダーゼ)で分解することが出来ます。
体内に残ったヒアルロン酸を除去する場合は、ヒアルロン酸分解注射をしてくれる病院を探し、ヒアルロン酸を分解してもらうと良いと思います。
ヒアルロン酸は吸収されやすく面倒くさい注入物ですが、専用の分解注射があるぶん、元に戻したり修正しやすい注入物と言えるのではないかと思います。
脂肪注入も意外と厄介
では、ヒアルロン酸の代わりに自分の体から採取した脂肪を注入するのはどうかと言うと、これまた非常に吸収率が良い(定着率が悪い)です。
お腹や太ももやお尻などには頼まれもしないのに沢山の脂肪がついてしまったりするのですが、残念なことに、顔のシワや凹んだ部分に注入した脂肪は、注入した場所に留まりにくいです。
脂肪注入に使う脂肪は、通常は太ももなどの脂肪を取り出して注入します。
ほんの小さな穴を開けて、そこから脂肪を取り出します。
そしてより定着しやすい脂肪に加工した後、顔のシワや手術で出来た窪みなどに注入していきます。
よって、脂肪を取り出したところには傷が残ってしまいますし、脂肪を取り出した部分のおしりや太ももは凸凹になってしまうことがあります。
しかも、脂肪が定着するまで何度も脂肪注入する必要が出てくるため金銭的にも大変ですし、脂肪注入も石灰化(少量ずつ丁寧に注入していけば石灰化しにくい)や壊疽や肉腫ができる恐れがありますので、意外と厄介だったりします。
(定着しなかった場合は、希望すれば再注入になります)
そのようなわけで、顔の手術で凹みやシワができたら、自分の余った脂肪を取り出して注入すれば良いと思っていると、後々しんどい事になってしまう可能性もあります。
吸収されない薬剤注入も意外と厄介
ヒアルロン酸も脂肪注入も体内に吸収されやすいものですので、そう何度も注入したり、一度に大量に注入しすぎなければ、トラブルは起きにくいです。
(吸収されにくいタイプのヒアルロン酸は除く)
ただし、美容整形は保険がききませんから、そう何度も射つことはできないですし、出来れば一発で定着してもらいたかったりします。
そんな声を反映してか、殆どと言って良いほど体には吸収されない薬剤が開発され、使用されるようになりました。
アクアミドは、体に吸収されない薬剤の一つです。
ただし、アクアミドは十数年後には体内でどのようになってしまうのかわかりませんし(劣化したアクアミドをとり出さねばならなくなった場合、皮下に細かく入り込んでしまったものをどうやって取り出すのかが問題になります)、壊疽が起きるケースもありますので厄介です。
(アクアミドについては、お医者さんによってはリスクを嫌気して使用しない方もおられるようです)
アクアミドの除去方法
アクアミドの注入は非常に容易ですが、除去は難しいです。
ヒアルロン酸は分解注射で分解ができますが、アクアミドは専用の分解薬はありませんので、アクアミドを注入した鼻や頬などを切開し、体内に残留しているアクアミドを医療器具で掻き出す必要が出てきます。
ただし、それでも全てが除去できるわけではなく、アクアミドの除去が不完全なままになる可能性もありますので、その点は予め留意しておく必要があるように思います。
吸収されにくいレディエッセ
ヒアルロン酸は吸収されすぎる、吸収されないアクアミドは怖い。
ではそこそこ吸収されにくいものと言うことで、レディエッセと言う注入物があります。
レディエッセは1〜2年で体内に吸収されてしまいます。
ですので、アクアミドのように吸収されずに皮下の血管などの入り込み、半永久的に体内で存在し続けると言うわけではありません。
ですので、レディエッセはアクアミドよりも安心と言えるかと思います。
ただし、レディエッセもアクアミドと同様、ヒアルロン酸のような専用の分解薬はありませんので、吸収されるのをひたすら待つ必要があります。
残留中のレディエッセが体内で吸収されるのを待てない場合は、アクアミドと同様に体内に残留しているレディエッセを医療器具で掻きだしてやる必要があります。
このように、注入する薬剤は、体内に吸収される・されないに関わらずリスクは存在しますし、一箇所に大量に注入したり、患者さんの体質や施術法によっては、石灰化や壊疽や肉腫化してしまうリスクもありますので、注入する時は注意しつつ、長期的な目でリスクの少ない方法を担当医と相談の上で、決めたほうが無難かと思います。
(こういうことをカウンセリングでしっかりと教えてくれるお医者さんの方が、後々のトラブルは少ないかもです)
カウンセリングの時にお医者さんから聞く事柄の例
※注
私の考えた例です。
他にも質問はたくさんあると思いますので、あくまでも参考程度に考えておいて頂けると幸いです。
- 費用はどのくらいか?
- 起こり得るリスク要因
(石灰化・壊疽・肉腫化など) - 各問題が発生した時の対処法
(手術内容・金額など) - どのくらいの頻度で注入し続けねばならないか?
- 他の治療法はあるか?
(照射系のもの・フェイスリフトの手術など)
この中でも、特に『各問題が発生した時の対処法』についてはちゃんと聞いておいたほうがよいかと思います。
理由は、もしその問題が発生した時に、追加の手術料金が発生してしまったり、思わぬ場所に傷がついてしまうことで、やらないほうが良かった、知っていればやなかったと言うことも起こり得るからです。
注入系のものは、一般的に安いものが多いですので、細かい説明は嫌がるお医者さんもいるとは思いますが、料金は安くとも、ちゃんと説明してくれるお医者さんに見てもらったほうがよいかと思います。
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