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胃袋を小さくする手術

いくら努力をしてもやせない場合があります。
重度の肥満の方の中には、ダイエットの努力をし続けてきた方が多数おられます。


食事制限
  ↓
体重が減少
  ↓
体が飢餓状態だと判断
  ↓
やせにくくなる&食欲が増す
  ↓
食べてしまう
  ↓
さらに太る


また、これとは別に、基礎代謝が低くなる遺伝子をお持ちで、ものすごく摂取カロリーを制限しなければ太りやすい方もおられます。
こういった方々の場合は、通常のダイエットを行って失敗して苦しむよりも、胃の外科的手術(胃バルーン術も含む)で解決した方が良いような気も個人的にはします。

健康な胃にメスを入れる、或いは、バルーンを挿入して食欲を制限することなどには賛否両論はあるかとは思いますが、私は個人的には肥満解消のための胃の手術はあってよいものであると思いますし、今よりももう少し手術を受けることができる基準を緩めるのもありなのではないかと思います。
(肥満による合併症の有無を問わず、BMI=30以上、ウエストサイズ=○○cm以上などで手術可能というような感じです)

胃バイパス手術

胃バイパス手術とは、胃袋の上部をホッチキスなどで留めて、その胃袋の上部と小腸を接続する手術です。さらに、胃液で食物を消化させるために胃袋の下部の小腸を↑の小腸と接続して、消化液と食物を混ぜます。

この手術を行うと、胃袋が小さくなるので少ししか食べることができなくなります。
昔は開腹手術が主流だったですが、最近では腹腔鏡手術が主流です。

患者さんの身体的な負担とリスクは、非常に高いです。
体に傷跡が残ります。
また、手術後に合併症になる場合もあります。
保険は適用されませんので、費用は高めです。


胃バンディング術

胃バンディング術とは、胃袋の上部をバンドで留めて胃袋を小さくする手術です。
胃袋を小さくすることによって、食べる量を減らすことができます。

小さな傷跡が残ります。
胃バイパス手術に比べると、患者さんの身体への負担は低め。
腹腔鏡でバンドを設置する方法が主流です。
バンドが外れてしまったり、合併症が起こる可能性があります。
費用は、胃バイパス手術に比べると低めです。


胃バールーン留置術

胃バルーン留置術とは、胃袋の中にバルーン(風船みたいなもの)を入れて、胃袋の容積を小さくする手術です。
胃袋の中に入れるバルーンは、内視鏡で挿入して膨らませます。

胃バンド手術や胃バイパス手術が腹腔鏡手術や開腹手術で体にメスを入れるのと比較すると、胃バルーン手術はバルーンを入れてから数日間は吐き気などをもよおすことがありますが、患者さん負担が軽いのが特徴です。

また、胃バルーン術は胃袋の中のバルーンを回収すれば胃袋が元通りになりますので、この点でも患者さんの負担が軽いです。
ただし、バルーンが持つのは6ヶ月程度が限度です。

また、バルーンが割れてしまった場合には、再手術が必要となります。
手術費用も、胃バイパス手術などと比べると安いです。
保険は効きません。


胃袋の縮小手術比較

リスク度

バイパス > バンド > バルーン

料金

バイパス > バンド > バルーン

患者さんの身体的負担

バイパス > バンド > バルーン

元通りにできるか

バイパス⇒× バンド⇒○ バルーン⇒○

傷跡の有無

バイパス⇒○ バンド⇒○ バルーン⇒×


いずれの場合も、患者さんの身体的負担を伴う。
(胃バルーンも、吐き気・食欲不振などを伴う場合がある)

料金の難しさ・高度さによって変わる。
(胃バルーン術が最も安い)

病院によって、胃の縮小手術ができなかったり行える手術が異なる場合があるので、決断する前にしっかりと病院の下調べをしておく。


肥満治療として胃袋の手術ができる人

  • BMI指数が35以上の人で、肥満による合併症の治療が目的の人
    美容目的の場合は不可
  • 保険が効かないので、高額な治療費を自費で支払える人

※ この他、年齢や体調などによっては受けられない場合がある。


BMI指数

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI指数

肥満による合併症

糖尿病・高血圧・高脂血症などの成人病
(メタボリックシンドローム)


肥満治療のための胃袋の手術(胃バイパス・胃バンド・胃バルーン術)は、肥満から来る成人病を治療するためですので、美容目的で「あと5kg痩せたい」は不可です。(美容目的で受けられるには「脂肪吸引」や「カーボメッド」や「メソセラピー」などがあります)


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肥満治療として胃袋の手術ができる人

以前、「プラダー・ウィリー症候群の孫」を引き取った、アメリカのおばあさんがTVで放映されていました。それを見ると、おばあさんの顔には無数のシワがありました。
さらに、そのおばあさんは、お薬を飲んで鉄分を補給していました。

何でも、そのおばあさん、自分も太りすぎだと思ったので、胃の縮小手術を受けたんだそうな。
それで、食べれる食事量が激減し、今でも、鉄分を補給する薬を飲んでいるとのこと。
お肌も、同年代の女性と比較すると非常にシワが多いということで、強制的に食事の量を減らしてしまったと言うことの弊害の大きさを知ったわけです。

胃の縮小手術は、日本では糖尿病や高脂血症などに罹り、尚且つ、肥満とされる量の脂肪が体についている「脂肪過多」の方々しか受けることが出来ない手術です。
これは、命の危険を伴い(胃縮小手術は特に)、栄養障害を伴う可能性のある手術であるのならば致し方ないことなのかもしれません。

以前は、美容目的での胃の縮小手術もありかなぁとは思ってはいたのですが、あのおばあさんの映像を思い出すと、安易な手術は行わない方が良いような気がしてきます。

ちなみに、うちの父は、胃がんで胃を4分の3摘出しましたが(詳しくは「父の胃がん治療闘病記」をご覧下さい)、食事量は普通の人の3分の2程度は摂れるようになりました。
(胃の大きさが大きくなったのか、消化のスピードが高まったのかは分からないですが・・・)

「プラダー・ウィリー症候群の孫」を引き取ったあのアメリカのおばあさんは、食べる量が減ってしまい、栄養障害が起こりやすい状態になってしまったようですが、胃の手術法などにもよるのかもしれないですが、全ての人がおばあさんのようになってしまうというわけでもなさそうです。


胃を小さくする手術の費用

自由診療ですので、費用は病院によってまちまちです。
相場は、おおよそ数十万円(胃バルーン留置術)〜数百万円(胃バイパス)程度のようです。保険が利かないので大変高額です。

正確な金額は、手術を受ける病院へ行って、直にお医者様にお聞きになれば教えてもらえると思います。


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